SIMフリーiPhone4S購入記

2012年にSIMフリーiPhone4Sを購入した時の話です。相当前に書いたものですが、今読んでも有用と思われるので公開します。

外出先でWeb閲覧、電子メール送受信を行えるようにするために、WiMAXのWi-FiルーターとiPodTouch(4G)を
持ち歩いています。1年6ヶ月にわたってこの組み合わせで使い続けてきて特段の問題はないものの、以下のような不満・欲が出てきました。

(1)iPhoneと比べて、メモリ(2次記憶ではなく1次記憶(主記憶)の方)が少ないので、ネット閲覧時に再読み込みが頻繁に発生する。
(2)iPhoneと比べて、カメラの性能が貧弱である。
(3)iPhoneにはあるGPS機能がない。(GPS機能があれば、カーナビみたいな現在位置表示や電車内で速度計測が出来ておもしろそう。)

そこでiPhoneを買おうと思い立ちましたが、以下の理由から、日本国内で販売されているau版、SoftBank版iPhoneは購入する気になれませんでした。

(1)SIMロックがかかっており、好きな電話会社のSIMを使うことができない。
(2)そもそも、iPodTouch代替で使うので、電話会社との契約が必須で毎月の支払いが発生するような状態でiPhoneを使うのは避けたい。

後者については、au版、SoftBank版にしても、購入してすぐに解約すればよさそうですが、これをやってしまうと、携帯電話会社のブラックリストに入ってしまいそうで、しかも手元に残ったiPhoneに他電話会社のSIMを挿すこともできず、結局行き詰る。そこでSIMフリー版iPhone(英語ではunlocked iPhoneと言う)を購入することとし、購入方法を調べてみました。

(1)海外のApple Storeで購入する。
(2)代行輸入業者を使う。
(3)日本国内の電気店で購入する。

一番目の「海外のApple Storeで購入する」は、SIMフリー版iPhoneが販売されている国のApple Store(アップル直営のアップルストア)で直接購入するというものです。

SIMフリー版iPhoneが販売されているApple Storeで日本からもっとも近いところとしては、香港のApple Storeがあります。正規の店で直接購入するので、馴染みのない代行輸入業者を使うよりも安心で、かつ中間マージンが入ることもないので、安く買えるのが利点です。難点は、海外まで直接出向く必要があるため、そのための渡航費用がかかることです。

二番目の「代行輸入業者を使う」は、海外でiPhoneを仕入れて日本に発送している業者から買うというものです。日本国内にいながら買えるのが利点で、一方普段なじみのない業者から購入するので「本当に発送してくれるのだろうか」といった不安があるのが難点です。

三番目の「日本国内の電気店で購入する」は、海外から輸入して店頭販売している電気店で購入するというものです。秋葉原のLaOXで香港版のiPhone4Sが販売されているのを見て食指が動いたものの、値段があまりに高すぎて、結局購入を見送りました。

海外のApple Storeで購入したい、でもそのために香港まで出かけるのも如何なものか、と悶々としていたところ、ヨーロッパへ出かける機会があったので、渡航時にアムステルダムのApple Storeに立ち寄り、無事にunlock版iPhone4Sを購入することができました。その際の一部始終を以下に記します。

■購入とアクティベーション

アムステルダムのApple Storeは、tram(路面電車、ライトレール)のLeidseplein停留所の近くにあります。この停留所にはtram1,2,5,7,10号線が乗り入れています。下の写真を見ていただくとわかるように、他国のアップルストアで見られるような、アップルのロゴマークが目立つようなこともなく、街並みにとけ込んでいます。



店内に入り、店先のiPadで値段を調べます。オランダ語なのでまるで読めないものの、64GB版unlocked iPhone4S(black)が799Euroであることがわかりました。店員さんがやってきて、用件を聞かれたので、「unlocked iPhone4Sが欲しい」と伝え、容量(64GB)と色(Black)も伝えます。

店員さんとは、すごく話がはずみました。うまく伝えるのが難しいのですが、とても気さくで感じのいい店員さんで、とても後味のよい買い物になりました。推測ですが、iPhoneを買いにやってくる(自分のようなオタ系)日本人が多いのではと感じました。
(翌日もApple Storeを訪れ、店員さんに「スウェーデンの電話会社のSIMで無事にアクティベーションできた」「問題なく動作している」)「SIMフリー版iPhone4Sを購入できて、本当にうれしい」といった話をしたり、「このApple Store自体も観光名所ですね」といった話をしました。1階の商品を陳列してあるテーブルはカナダ産の木材を用いたとても丈夫なものであることとか、いろいろと話がはずみました。)

店員「日本でもiPhoneは売られているのでは?」
自分「日本で売られているiPhoneはSIMロックがかかっているので」

店員「セットアップやっていきますか?」
自分「スウェーデンの電話会社のSIMを既に購入してあり、それを用いて自分でやりたいので、いいです。」

店員「(購入を終えて店を出ようとしていると)購入したiPhone、(自分が持っていた黒の)ポーチに入れたほうがいいよ。アップルの手提げ袋で持ち帰ると目立ち、危ないので」
自分「ありがとうございます(購入したばかりのiPhone4Sをポーチ内に移す)」

さっそく、ホテルに戻り、アクティベーション開始です。アムステルダムに来る前にスウェーデンに立ち寄っており、その際にTeliaショップでプリペイドSIMカード(スウェーデン語でkontantkort)を購入しているので、そのSIMを用いてアクティベーションします。(TeliaショップでプリペイドSIMカード購入時、店頭にぶら下げてあったカードもなぜかくれたので、一緒に写しました。普通はレジで回収するものと思います。)


マイクロSIMを挿し、電源を入れます。いろいろとメッセージが出てきますが、特に難しいことはありません。アクティベーションはあっさり成功しました。ホテル内の無線LANにつないで特に問題なくネット閲覧できることを確認しました。また、日本から持ってきた携帯電話(日本のキャリアの携帯電話)からiPhone4Sに電話をかけてみて、着信することも確認しました。なお、挿しているSIMはスウェーデンの電話会社(Telia)のもの(電話番号もスウェーデンの電話番号)ですが、アクティベーションした場所がオランダ内なので、ローミングでT-Mobile(NL)の電波をつかんでいます。なお画面の言語が日本語になっていませんが、もちろん日本語に設定することも可能です。



後日スウェーデンに立ち寄った際の写真です。スウェーデン国内なので、しっかりTeliaの電波をつかんでいます。なお、この際にCOMVIQのプリペイドSIMカードを追加購入して、このSIMカードでも使えることを確認しています。COMVIQのSIMカードはThe Phone House(携帯電話ショップ)で購入しました。



最初Pressbyrån(コンビニ)で買おうとしたところ、マイクロSIMの扱いがない(電話機用の通常サイズのSIMしか扱いがない)とのことで、The Phone Houseで購入しました。

■iPodTouch代替で使う
もともとiPodTouch代替で使うために購入したiPhone4Sなので、SIMなしで運用するつもりでしたが、現在位置検索機能を使う際にはGPS機能をONにするだけでは不十分で、有効なSIMカードが必要ということがわかりました。(Assisted GPS(A-GPS)と呼ばれる携帯電話基地局の情報を併用した測位をするために、携帯電話回線の電波をつかんでいる必要があるとのこと。)

ドコモのMVNO(日本通信、IIJとか)のSIMカード、もしくはドコモのSIMカードを挿して運用するつもりでしたが、下記理由でスウェーデンのSIMカードを挿したままで運用しています。

(1)3Gモバイルデータ通信は使わず、電話の発着信だけ出来ればOKなので、海外の電話会社のSIMで十分である。
(2)スウェーデン渡航時にそのまま使えてかつ日本への通話料が安い。
(3)ドコモとソフトバンク、どちらの電波でも掴めるのが便利。
(4)(一番の理由)日本の携帯電話会社のSIMは退屈でつまらない。(海外SIMの方がおもしろい。)

3つ目については、ドコモは圏外なのに、ソフトバンクはバリ5というエリアに何度か遭遇したためです。現在位置検索を使うために、とにかく圏外は避けたいです。

■スウェーデン・プリペイドSIM讃歌
iPhone4Sの話から外れます。過去にもスウェーデンに渡航したことがあり、その度にプリペイドSIMカードを購入し、手持ちのSIMフリー携帯電話に挿して使っていますが、とてもおもしろくて、便利です。スウェーデンの携帯電話会社(基地局を自前で持っている会社)としては、TeliaTELE23Telenor、MVNOとして、TELE2の回線を用いたCOMVIQ、Teliaの回線を用いたhalebopがあります。(以前はTelenorのMVNOとしてdjuiceがあったけど、今でもあるのかは不明。)

昔は残高をチャージするために、SIMを挿した携帯電話で電話をかけて、スウェーデン語の音声ガイダンスを聞きながらボタンをプッシュしなければチャージできないこともあり苦労しましたが、今では携帯電話ショップ、コンビニなどの店頭で代金を支払い、発行してもらったレシートに書かれている番号を特番につづけてプッシュし、発信するだけでチャージできますし、ネット上からのチャージ(支払いはクレジットカードでOK)もできるようになり、本当に便利です。

プリペイドSIMながら、各社複数の料金プランが用意されており、COMVIQにいたっては、料金プランが豊富なだけでなく、データ通信用のオプションパックも用意されています。(一例として、89SEKで、月に3GBまで使える(速度は最大6MB/S)プランとか、いろいろあります。日本のNTTドコモのXi用データプランと比べると、速度他条件は違うものの、値段と上限通信量だけを見ると、割安感があります。)日本の携帯電話もこんなふうになってくれると、便利で面白くなると思うのですが、期待薄と思います。

初稿:2012年
最終更新:2016年12月24日(土)

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