MVNO(格安SIM)の混雑時間帯の速度低下対策

IIJmio、mineoといったMVNO(格安SIM)を使う上で避けられない問題のひとつに、平日の昼休み等混雑時間帯の速度低下があります。この問題にどう向き合うべきか、考えてみます。

IIJmioを平日・休日問わず使っていますが、速度が低下する時間帯があります。一番顕著なのが平日の昼休み時間帯(12時台)で、1Mbps以下にまで低下します。

ネットを見ていると、MVNO回線の速度低下をけなす意見が散見されますが、的外れです。(なお、24時間365日まともな通信速度が出ないMVNO事業者は論外で、除外します。)なぜ的外れかというと、

・全契約者が同時にフルスピードで使えるような接続帯域(MNO~MVNO間)をMVNO事業者は持っているわけではない。

だからです。相互接続料はおおよそ90万円/10Mbpsですので、全契約者が同時にフルスピードで通信できるようにしようとしたら、MVNO(格安SIM)そのものがビジネスとして成立しなくなります。固定電話回線において、全契約者が同時に通話できるだけの設備をNTT等電話事業者が持っているわけではないことと同じです。(そのため、災害発生時等に電話回線の輻輳が発生する。)

データ通信の傾向(平日の昼休みにスマホで通信する等)が似通った利用者(学生、サラリーマン等)が契約者の多数を占めており、その契約者が特定の時間帯に一斉にデータ通信するために、速度が低下するわけです。仕方がないことなのです。

では、どのようにして、速度低下と向き合えばいいでしょうか?

(1)考え方を変える
IIJmioを使っていると、たしかに平日の昼休み時間帯は1Mbps以下にまで速度低下しますが、ブラウザやRSSリーダーでニュースなどを読んだり、Twitterなどのアプリを使っている分には、それほど不便・ストレスは感じません。「値段が安いというメリットを享受するために、特定時間帯はあまり通信速度を必要としない作業で済まそう」という考え方に変えるのはどうでしょうか?

どうしても、昼休み時間帯にスマホで高画質動画をストリーミングで視聴したい等通信速度を必要とするのであれば、MVNO(格安SIM)を使うべきではありません。

(2)他の回線を併用する
MVNOなのに混雑時間帯でも速度低下の起きにくいことで知られている事業者として、UQ Mobileがあります。自分も使っていますが、IIJmioが1Mbps以下にまで速度低下する平日昼休み時間帯でも10Mbps程度の通信速度を維持しています。こうした、混雑時間帯でも通信速度低下の起こりにくいMVNOを追加で契約する、というのはどうでしょう?

もちろん追加で契約すれば、その分の費用がかかることになるわけですが、データ通信専用のSIMであれば、月額料金1000円程度で契約できますし、追加で契約したとしても、「元のSIMの料金+追加のSIMの料金」の合計金額で考えた場合、3大キャリア(ドコモ/au/ソフトバンク)よりも安くすることができます。

最近はSIMを2枚入れられるスマホ(DualSIM機、特にDSDS(Dual Sim Dual Standby)機)が販売されていますので、こうしたスマホで1番目のSIMスロットにこれまで使ってきた音声通話SIM、2番目のSIMスロットに混雑時間帯用のデータ通信用SIMを入れる、というのはどうでしょう? あるいは、今使っているスマホはそのままで、別途モバイルルーターを持ち歩く、というのもいいと思います。

自分の場合は、IIJmioメイン、UQ mobileサブで使っており、平日の昼休み時間帯はUQ mobileを使いつつ、スマホばかり触らずに、読書や書き物等もしながら過ごし、通信速度を必要とする作業(アプリやOSのアップデート)は、回線のすいている早朝時間帯等に行う(時差通信)など、MVNO(格安SIM)にあわせたライフスタイルを心がけています。

MVNOの混雑時間帯の速度低下、けなすのではなく、いくらかの追加負担と工夫で乗り切るという風に発想転換するというのはどうでしょう?

そして、もっと多くの人々、ライフスタイル・職種の異なる人々(データ通信の傾向が異なる人々)がMVNO(格安SIM)を使うようになれば、混雑時間帯の速度低下は、一気とまではいかなくとも、徐々に緩和されていくはずです。

余談ですが、IIJmioがShufoo!チラシに広告を出したり、2017年3月3日~5日に横浜赤レンガ倉庫で開催される「パンのフェス2017」に出展するのも、データ通信の傾向が異なる客層獲得を狙ったものと考えられ、その成果に非常に期待しています。

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