マイナンバーカードを通知カードに戻す方法

毛流麦花(モールバッカ)です。一旦受領したマイナンバーカード(個人番号カード)を通知カードに戻すことができるのかどうかを調べてみました。

マイナンバーカード(個人番号カード)や通知カードに関わる各種申請は自治体で受け付けており、いくつかの自治体のサイトを調べてみたところ、以下のような状況でした。

(1)通知カードの再交付申請の受付要件の中に「マイナンバーカード(個人番号カード)を受領したものの、通知カードへの再交付を希望する場合はマイナンバーカードも併せて提出ください」が定められている自治体がある。

(2)マイナンバーカード(個人番号カード)紛失時の手続きの中に「通知カードの再交付申請」が記載されている自治体がある。

マイナンバーカード(個人番号カード)に関わる手続きは法令で定められているはずであり、自治体毎に対応が異なるのはおかしいので、法令を調べてみました。

まず、通知カードの再交付申請に際して必要な要件を定めている条文を調べてみます。

「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の規定による通知カード及び個人番号カード並びに情報提供ネットワークシステムによる特定個人情報の提供等に関する省令」(平成二十六年十一月二十日総務省令第八十五号)

(通知カードの再交付の申請等)
第十一条 通知カード又は個人番号カードの交付を受けている者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、住所地市町村長に対し、通知カードの再交付を受けようとする旨及びその事由並びに当該通知カードの交付を受けている者の氏名、住所並びに個人番号又は生年月日及び性別を記載した再交付申請書を提出して、通知カードの再交付を求めることができる。
一 通知カードを紛失し、焼失し、又は著しく損傷したとき。

二 通知カードの追記欄の余白がなくなったとき。

三 令第五条第二項(第三条第三項において準用する場合を含む。)の規定により通知カードを返納したとき(法第十七条第一項の規定による個人番号カードの交付に伴い又は令第五条第一項第一号に該当して通知カードを返納した場合を除く。)

四 令第五条第三項の規定により通知カードを返納した後、いずれかの市町村(特別区を含む。以下同じ。)の備える住民基本台帳に記録されたとき。

令第十五条第二項(第三条第三項において準用する場合を含む。)及び令第十五条第四項の規定により個人番号カードを返納したとき(同条第一項第二号に該当して個人番号カードを返納した場合を除く。)。

六 令第十五条第三項の規定により個人番号カードを返納した後、いずれかの市町村の備える住民基本台帳に記録されたとき。

七 個人番号カードを紛失し、焼失し、若しくは著しく損傷したとき又は個人番号カードの機能が損なわれたとき(第二十八条第一項の規定により個人番号カードの再交付を求める場合を除く。)。

八 個人番号カードの追記欄の余白がなくなったとき(第二十九条第一項の規定により新たな個人番号カードの交付を求める場合を除く。)。

九 前各号に掲げる場合のほか、住所地市町村長が特に必要と認めるとき。

2 通知カードの再交付を受けようとする者は、前項第一号、第二号又は第七号から第九号までに該当して通知カードの再交付を受けようとするときは、現に交付を受けている通知カード又は個人番号カードを紛失し、又は焼失した場合を除き、当該通知カード又は当該個人番号カードを返納の上、再交付を求めなければならない。

3 住所地市町村長は、第一項の求めがあった場合には、通知カードの再交付を受けようとする者に対し、令第二条第二項に規定する方法により、その者に係る通知カードを再交付するものとする。この場合において、住所地市町村長は、通知カードの再交付を受けようとする者から次に掲げるいずれかの書類の提示を受けるものとする。

一 運転免許証、旅券その他官公署から発行され、又は発給された書類その他これに類する書類であって、個人識別事項が記載され、かつ、写真の表示その他の当該書類に施された措置によって、当該書類の提示を行う者が当該個人識別事項により識別される特定の個人と同一の者であることを確認することができるものとして住所地市町村長が適当と認めるもの

二 前号に掲げる書類を提示することが困難であると認められる場合には、官公署から発行され、又は発給された書類その他これに類する書類であって住所地市町村長が適当と認める二以上(当該書類の提示を受けるとともに当該書類の提示を行う者又はその者と同一の世帯に属する者に係る住民票の記載事項について申告を受けることその他の住所地市町村長が適当と認める措置をとることにより当該書類の提示を行う者が当該書類に記載された個人識別事項により識別される特定の個人と同一の者であることを確認することができる場合には、一以上)の書類(個人識別事項の記載があるものに限る。)

4 住所地市町村長は、第一項の求めがあった場合であって、通知カードの再交付を受けようとする者が通知カード又は個人番号カードを紛失し、焼失し、又は返納しているときには、当該市町村が備える住民基本台帳に記録されているその者の個人番号及び個人識別事項を確認するものとする。

5 通知カードの再交付を受けた者は、紛失した通知カード又は個人番号カードを発見した場合には、その旨並びにその者の氏名及び住所を記載した書面を添えて、発見した通知カード又は個人番号カードを、住所地市町村長に遅滞なく返納しなければならない。

通知カードの再交付申請に際して必要な要件の中に「個人番号カードを返納したとき」と書かれています! 一度個人番号カードを受領してしまったら通知カードに戻すことができないのでは?と考えていたので、これは期待できそうですね。

条文は「令第15条第2項(第3条第3項において準用する場合を含む。)及び令第15条第4項の規定により個人番号カードを返納したとき」(朱書きした箇所)となっているので、参照している条文を調べてみます。

「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律施行令」(平成二十六年政令第百五十五号)

(個人番号カードの返納)
第十五条 法第十七条第七項の政令で定める場合は、次に掲げる場合とする。

一 前条第三号又は第七号に該当したとき。

二 第三条第五項又は第四条第二項の規定により個人番号カードの返納を求められたとき。

三 次条第一項の規定により個人番号カードの返納を命ぜられたとき。

2 個人番号カードの交付を受けている者は、個人番号カードの有効期間が満了した場合又は前項各号のいずれかに該当する場合には、個人番号カードを返納する理由その他総務省令で定める事項を記載した書面を添えて、当該個人番号カードを、住所地市町村長に遅滞なく返納しなければならない。

3 個人番号カードの交付を受けている者は、前条第一号、第二号、第五号又は第六号のいずれかに該当した場合には、個人番号カードを返納する理由その他総務省令で定める事項を記載した書面を添えて、当該個人番号カードを、その者につき直近に住民票の記載をした市町村長に遅滞なく返納しなければならない。

4 個人番号カードの交付を受けている者は、いつでも、当該個人番号カードを住所地市町村長に返納することができる。

5 第三条第六項の規定は、前三項の規定による個人番号カードの返納について準用する。

上述の令第15条第2項及び第4項から「個人番号カードの交付を受けている者は、個人番号カードの有効期間が満了した場合、当該個人番号カードを住所地市町村長に返納することができる。」と読めます。

令第15条第4項に「個人番号カードの交付を受けている者は、いつでも、当該個人番号カードを住所地市町村長に返納することができる。」とあるので、「個人番号カードは、無条件で返納できる」と読めそうですが、前述の省令第11条第5項では、「令第15条第2項及び第4項の規定により個人番号カードを返納した時」とあるように、令第15条第2項と第4項は、「及び」でつながっているので、第4項だけを取り上げて「無条件で返納できる」と読むには無理があります。(「令第15条第2項又は第4項の規定により個人番号カードを返納した時」となっていれば、「無条件で返納できる」と読めるのですが。)

省令第11条第5項と併せて、「マイナンバーカード(個人番号カード)を有効期間満了に伴って返納したら、通知カードの再交付を求めることができる」と読めます。

すなわち、マイナンバーカード(個人番号カード)を通知カードに戻すには、法令上は、有効期間満了に伴って返納して、通知カードの再交付申請をすればよいことになります。

併せて手数料も調べてみたところ、通知カードの再交付手数料は500円、マイナンバーカード(個人番号カード)の再交付手数料は1000円(電子証明書不要の場合は800円)でした。(2019年1月4日現在)

マイナンバーカード(個人番号カード)の有効期間満了に伴う更新手数料については明示されていないものの、再交付手数料に準じた値段になるものと仮定するのであれば、1000円前後になるのではと推測されます。

ただし、マイナンバーカードの交付は進んでいないのが現状であり、更新手数料を有料にしたら、ますます交付が進まなくなるとも考えられますので、更新手数料が無料、もしくは通知カード再交付手数料と同程度(500円程度)になる可能性も否定できないと思います。マイナンバーカードの交付が始まったのは平成28年1月(2016年1月)からであり、最初の更新が始まる2021年が近づいて来れば、更新手数料が有料になるのか無料になるのか、状況が判明してくることになるものと思われます。

「通知カードは有効期限が無期限で更新手数料が発生する心配がないのに対し、マイナンバーカード(個人番号カード)は有効期限が10年(正確には発行の日から10回目の誕生日まで、20歳未満の人については5回目の誕生日まで)で、しかも更新手数料が(おそらく)有料だから、通知カードのままの方がいい」と考えている方も多いと思いますが、有効期間が10年間で、更新手数料が(有料だと仮定して)1000円弱であれば、そんなに気にせずに、マイナンバーカードの交付を受けてしまってもいいかな、と思います。たしかに交付を受けても、マイナンバーカードならではの使い道がなく、通知カードで事足りてしまう、というのが実態であり、マイナンバーカードの申請をすることなく通知カードのままにしておいても支障ないと思いますが。

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