つみたてNISA Meetup in 東京(つみップ)に参加(2018年3月16日)

2018年3月16日(金)に金融庁会議室で開催されたつみップに参加しました。

2017年10月と12月に開催されたつみップに参加しており、今回で3回目となります。主題は「投資信託についてよくある誤解」です。Twitterで募集した投資信託にまつわる誤解(ハッシュタグ #投信あるある104 )について、識者と投信ブロガー(投資ブロガー)が答えていくという内容です。

最初に、家計金融資産・家計所得の状況、投資が行われない理由の分析、投資信託を使った分散投資、長期分散投資の効果、一般NISA・つみたてNISAの概要、などについて説明がありました。

一連の説明の中で会場内に笑いをもたらしたイラストがありました。これです。

この地雷探知のイラストに、会場内で笑いが広がりました。投資信託の多く、特にアクティブ投信の大半が地雷型商品(投資家は儲からず、運用会社や販売会社が儲かる)ということは周知の事実であり、事実国内アクティブ運用投信の7割が日経225ETFに負けているという散布図に地雷探知のイラストの組み合わせは、何回見ても笑えます。

で、今回のつみップでの主な質疑応答です。

(Q1)つみたてNISAから、レバレッジ型投資信託が除外されている理由は? 長期的に株価は右肩上がりするものであるなら、レバレッジ型でも構わないと思うが?
(A1)レバレッジ型(ブル型)は、例えばレバレッジ2倍型は、値動きが元の指数の2倍になるように運用されているが、中長期的には、どんどん元の指数から乖離していく傾向にある。さらに株価は上昇と下落の両方の値動きをするのが普通であり、特に下落相場での指数からの乖離は、「ガクンと一気に値下がりする」ことになる。こうした特性は初心者向けのつみたてNISAには不向きであり、対象商品から除外している。

レバレッジ型(ブル型)商品の乖離を具体的に見てみることにしました。元の株価指数Aに対して、2倍の値動きをするレバレッジ2倍型Bを考えます。AもBも1000からスタートすることとして、元の株価指数が2営業日連続で20%ずつ上昇する場合と、20%ずつ下落する場合をグラフにしてみました。レバレッジ2倍型は40%ずつ値動きすることになります。

まず上昇局面の場合です。

次に下落局面の場合です。

レバレッジ型はどんどん元の指数から乖離していることがわかります。この乖離のことを「レバレッジ型の複利効果」と言うみたいです。有り難くない複利効果といったところでしょうか。

レバレッジ型投信については識者から補足説明があり、「レバレッジ型を購入したいのであれば、NISA以外の口座で購入するのが精神衛生上いいのでは?」とのことでした。

(Q2)投資信託って、銀行や証券会社のランキング上位の商品が良い商品?
(A2)ランキング上位だからといって、投資家にとってよい商品とは限らない。販売会社が売りたい商品のランキングになっている面も否めない。レコード大賞みたいなもので、商品のよしあしとは関係なく、業界の中の人が出しているランキングでしかない。(さらにブロガーさんから補足があり)ブロガーがよく作成している信託報酬別等のランキングは事実に基づくランキングなので、参考にしてください。

この質問とは別に「投資信託の売れ筋を金融庁では把握しているのか?」という質問がありましたが、回答は「金融庁では把握していない」でした。

(Q3)テーマ型投資信託は、設定された時には大抵テーマのブームが終わりかかっている。
(A3)テーマ型投資信託のような金融商品は、目新しさを維持し、顧客を引きつけるための商品ととらえた方がよい。(深入りしない方がよいという意味です。)

(Q4)店舗のある銀行や大きな証券会社の方が、専門家が親切にどの投信がよいか教えてくれるから、信用できる。
(A4)「他人に任せよう」という価値観は180度転換した方がよい。本当に他人に相談したいなら、利害関係のない(銀行・証券会社や運用会社などと無関係な)独立系FP(フィナンシャル・プランナー)に相談料を払って相談するべき。金融機関は金融商品を売る専門家ではあっても、資産運用の専門家ではない。銀行などの金融機関は顧客のお金の流れを知っているので手強いし、そもそも窓口販売されている商品にまともな商品は存在しない(日本国債を除く)。特にラップ口座は最低・最悪。

(Q5)手数料の低い投資信託は粗悪品で安物買いの銭失い?
(A5)「アクティブファンドの方が信託報酬が高い分手間をかけているので、いい商品である」ということはない。アクティブファンドの方が信託報酬が高いのは、そういうビジネスモデルであるというだけのことでしかない。アクティブファンドの方が手間がかかっているから手数料が高いというのは、業界がそのように言っているだけで根拠がない。手数料の低いインデックスファンドの方が多数の銘柄をまとめて売買するので、かえって手間がかかるとも言える。

(Q6)毎月分配型投資信託は、配当金が毎月もらえるのでお得?
(A6)分配金には普通分配金と特別分配金があり、特別分配金は利益ではなく元本に相当するところから出ているので、別にお得ではありません。スライドを使った説明がありました。

Aさんが10000円で投資信託を1口買ったとします。(上記1枚目の「分配金の仕組み①」のスライドの上側の図)その後、保有資産の運用で利益が出たことに伴って基準価額が上がり、12000円になったとします。今度はBさんが同じ投資信託を1口買おうとしますが、10000円では買えず、12000円で買うことになります。(上記1枚目の「分配金の仕組み①」のスライドの下側の図)こうして12000円がファンドに流入することになりますが、ファンドの計理処理上、12000円を全額元本に組み入れることはできず、10000円を元本、2000円を収益調整金に組み入れることになります。その後Cさん、Dさん、Eさんも購入するとして、ファンドに流入するお金の一部が収益調整金に組み入れられていくことになります。(上記2枚目の「分配金の仕組み②」のスライドの上側の図)

全額を元本に組み入れずに、一部を収益調整金に組み入れていく理由ですが、追加型株式投資信託で既存の受益者と新規の受益者との間の公平性を確保するためのようです。(全額を元本に組み入れると、全体の収益は変わらないのに口数だけが増えて、結果1口あたりの収益が減少して、既存の受益者が損するため。)

で、毎月分配型投資信託の特別分配金とは、この収益調整金から支払われているにすぎません。(上記2枚目の「分配金の仕組み②」のスライドの下側の説明)「特別に儲かったから」とか「あなたのためだけに特別に」ということはけっしてなく、投資家から集めたお金、本来元本に組み入れるべきお金をそのまま投資家に返しているにすぎないのです。

仕組みを見て感じたのは、「毎月分配型投資信託の特別分配金とは、ネズミ講みたいなものである」です。毎月分配型投資信託の特別分配金の仕組みは、タコ足型、自転車操業型、ポンジ・スキーム型とも称することができると思いますが、「ねずみ講まがいの投資信託」と称した方が詐欺性・欺瞞性が伝わって良いのではと思います。

ポンジ・スキームとねずみ講は厳密にはまったく異なるもので、ねずみ講よりはポンジ・スキームの方が適切な表現であるものの、ねずみ講(法令上は無限連鎖講という)という言葉の方が通じやすいので「ねずみ講まがいの投資信託」と称しています。

収益調整金の仕組みそのものは計理処理のルールで決まっているものらしく違法性はないものの、収益調整金から分配金(特別分配金)を毎月出す仕組みは限りなくグレーに思えます。投資家は運用するためにお金を投じているのに、そのお金を「特別分配金」という思わせぶりな名称で投資家に返しているわけですから。「脱法型投資信託」と称してもいいのではないでしょうか?

投資信託の話をしていたはずが、詐欺用語のオンパレードになってしまいました。なんてことやら。

投資信託の計理処理についてはいまだよくわかっていないのですが、収益調整金に頼ることなく、既存の受益者と新規の受益者の間の公平性を確保できるような仕組みはないのだろうかと思います。

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次回のつみップはお休みとなり、2018年4月21日(土)に「つみたてNISAフェスティバル 2018」(つみフェス)が予定されています。

懇親会にも参加しましたが、とてもためになり充実した時間を過ごすことができました。感謝です。

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