つみたてNISA Meetup in 東京(つみップ)に参加(2017年12月22日)

つみたてNISA Meetup in 東京(意見交換会)に参加してきました。

2017年12月22日(金)に東京で行われた「つみたてNISA Meetup」(意見交換会)に参加したので、以下にまとめます。会場は金融庁の会議室で、通算で第12回目の開催となります。自分にとっては、10月20日(金)のつみたてNISA Meetupに続いて2回目の参加となります。(この時はメモをとっておらず、ブログ記事はないです。)なお以下の資料はすべて配布資料を撮ったものです。

はじめに金融庁から、「家計金融資産の一部を株式等にシフトしていくことで、現金・預金に偏った状況を正していきたい」と、つみたてNISA導入の目的について説明がありました。
(1)投資可能額(非課税枠)は年間40万円。月にすると約3万円になるが、この額でもふつうのサラリーマンが続けるのは大変と考えている。
(2)最大の特徴は、非課税であること。
(3)もうひとつの特徴として、長期投資に適さない商品を除外するなど、対象商品を絞っていること。
(4)当初、対象商品は50本しかなかったが、現在では132本までに増えた。その中でつみたてNISA用に新たに組成されたのは、56本。

↑右側の「家計金融資産の構成比」に注目。日本は全1815兆円の約半分が現金・預金となっている。

その後、運用会社の方から、つみたてNISA向け商品の説明がありました。

[アセットマネジメントOne]
(1)つみたてNISA向けとして、たわらノーロードを用意している。
(もっといろいろ説明・アピールがあったのですが、メモしそびれた……。)

[三菱UFJ国際投信]
(1)つみたてNISA向け商品として、金融機関の窓口での対面販売向けの「つみたて」シリーズ、主にネット向けの「eMAXIS」シリーズがある。eMAXISシリーズにはさらにリスク水準の異なるeMAXIS最適化バランス、年齢の経過に応じて資産配分・リスク水準を見直していくeMAMXISマイマネージャー、ネット専用で最低水準のコストを目指すeMAXIS Slimがある。
(2)eMAXISマイマネージャーは、リタイア年齢に向けてリスク水準が下がっていく設計になっている。(他の商品は、リスク水準はずっと同等のまま。)
(3)今後、eMAXIS Slimのラインナップを増やすことを予定している。また、新しいタイプのバランスファンドの追加も予定している。

[大和投資信託]
iFree S&P500誕生秘話が明かされました。
(1)この商品は意見交換会で個人投資家の方から「S&P500のインデックスファンドはやらないのですか?」との質問・要望から生まれた。
(2)この質問・要望を受けたのは、今回説明している方の上司。
(3)その方はその上司から「S&P500をやることになった。後はよろしく」と言われた。(「大丈夫なんですか?」との問いに対する上司の答えは「要望されているのだから、やるしかないだろう」)
(4)金融庁からは「7月末までに持って来れば、内示を出しますよ」と言われて、突貫(2ヵ月)で作った。
(5)設定代金も必要な額を確保して、何とか間に合わせた。
(6)個人投資家から支持されている現状を見ると、作ってよかったと思う。
なお、後の質疑応答で「突貫で作ったとのことだが、運用は大丈夫なのか?」との質問があり、以下のような回答がありました。
「資産規模が大きくなれば、インデックスとの乖離が小さくなっていく。どんなファンドも多かれ少なかれお金が足りない、逆にお金が余るといった状況があり、そうした状況に対して、ETFを買ったり、先物取引で対応している。iFree S&P500についても、そうした状況のシミュレーションを十分に行った上で運用を行っている。お金が急激に出入りすると、ファンドにとってコスト面では不利となるが、iFree S&P500については、つみたてメインとなってお金の出入りは緩やかとなり、そうしたコスト面での影響は少ないと考えている。などなど、どうかご安心ください。」

[ニッセイアセットマネジメント]
(1)つみたてNISA向け商品として、ニッセイ・インデックスパッケージを開発した。
(2)開発にあたって、どういう商品がいいのかを再考した。「株式を使うのが望ましい」「つみたてで資産形成していくことを考えると、値動きのあるファンドを組み合わせるのが望ましい」といった考えから、ファンドパック3、ファンドパック5、ファンドパック7、ファンドパック日本、という商品構成に至った。3、5、7となっているが、けっして奇数を狙ったわけではない。
(3)つみたてNISAでは売却後に非課税枠の再利用ができないこともあり、個々のパーツ(単一資産クラスのファンド)で運用すると、リバランス時に不利となる。ファンドパックでは自動でリバランスするのでそうした不利・面倒がない。
(4)ファンドパック5では、債券を含めずに株式とリートで運用する。ファンドパック7では、株式については国内・先進国・新興国となっている一方、リスク水準を勘案して、新興国の債券を含めていない。

現時点ではつみたてNISA対象商品になっていないものの、配布資料ではアクティブファンドのげんせん投信についても触れられていました。ニッセイアセットマネジメントのかなりの自信作のようです。

[バンガード・インベストメンツ・ジャパン]
(1)バンガードは世界最大のインデックスファンド運用会社である。
(2)楽天投信投資顧問との協業で、国内籍投信として設定し、ご購入いただけるようにした。
[楽天投信投資顧問]
(1)楽天というと一般には楽天市場や楽天カードなどが知られており、例えば楽天市場では良い商品を安くご購入していただくことができる。
(2)投資信託についても、楽天市場同様、良質廉価な商品をバンガードと組んでご提供できないかと考えてきた。
(3)楽天・バンガード・ファンドでは、バンガードのETFを買い付けていく。
(4)分配金については再投資し、複利運用としていく。
(5)全米株式(VTI)かS&P500(VOO)かについては、S&P500が全米株式時価総額のおおよそ80%であるのに対し、全米株式が100%であることから、VTIを採用した。

↑楽天VYMについてはまだ反映されていません。

質疑応答がありました。特に気になったもの(全部ではないです)をまとめます。

(1)(意見)三菱UFJ国際投信のつみたてシリーズを見ていると、ネット環境がなくても低コストファンドを購入できるようになったのだと感じた。
(回答)多くの対面販売の会社から「低コストな良い商品をお客様にお薦めしたい」との声を受けて、つみたてシリーズを開発した。

(2)(質問)先進国株式と国内株式の時価総額を比べると、国内株式の時価総額の方が低いにもかかわらず、国内株式の組み入れ比率の高いファンドがある。時価総額で増減させてはどうか?
(回答)(ニッセイアセットマネジメント)なぜ国内株式を組み入れるかというと、日本であり、日本で投資するのだから日本を含めて投資することで、日本の成長につながるとの考えによる。
(三菱UFJ国際投信)リスクリターンの分析から日本株と外国株で半々が最適解と考えている。時価総額に応じたファンドについては、今後検討していきたい。

(3)(質問)たくさんの商品を設定してひとつひとつの商品の資産規模が小さくなると、トラッキングエラー等で不利にならないか?
(回答)多くのファンドは、ファンドオフファンズであり、マザーファンドを買っている。投資の効率性は、マザーファンドにかかっている。もちろん、ひとつのファンド(ベビーファンド)としてのコストはかかるが。(三菱UFJ国際投信)ファンドマネージャーの給与査定では、トラッキングエラーも評価の対象になっている。信託報酬だけでなく売買コストも重要なコストであり、そこを含めてファンドマネージャーは気を付けて運用している。

(4)(質問)日本を含む全世界株式に投資できるファンドは、楽天バンガードのファンドを含めて3本しかない。今後作る予定はあるか?(補足:全世界株式インデックス・ファンド(ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ、MSCI ACWI Index)、EXE-i つみたてグローバル(中小型含む)株式ファンド(SBIアセットマネジメント、FTSE Global All Cap Index)、楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天投信投資顧問、FTSE Global All Cap Index))
(回答)(複数の運用会社の答えをまとめると)国内株式は日経225かTOPIX、外国株式はMSCI KOKUSAI、MSCI Emergingとなっている中で日本を含む全世界株式ファンドを作るとなると、MSCI Japan Indexのファンドが必要になるが、そこまでやるのは難しい。既存ファンドの組み合わせで「なんちゃって全世界株式(日本を含む)」を作ってもトラッキングエラーの問題があり、難しい。

MSCI Japanについては後の質疑応答の中で山崎元氏から「MSCI Japanを持っているのはステートストリートくらいなもの。販売会社が儲かるようにと高めで出したが。」とありました。(ステートストリートのMSCI Japan Indexは広まらなかったということです。)

(5)(質問)既存の投資信託、昔設定された投資信託の中には、信託報酬が高いものがある。安くできないのか?
(回答)信託報酬は運用会社だけで決められるものではなく、難しい。

(6)(質問)インデックス(指数)連動といった場合、「配当込みのインデックス連動」という認識でよいか?
(回答)(どの運用会社も)はい、そうです。

(7)(質問)(アセットマネジメントOne、ニッセイアセットマネジメントに対する質問)新興国株式インデックスファンドの信託報酬を下げる予定は?
(回答)(アセットマネジメントOne)2017年12月30日より下げます。(年率0.3672%(税込み))(ニッセイアセットマネジメント)今後検討します。

(8)(質問)つみたてNISA対象商品の必要要件である信託報酬率(国内株式なら税抜き0.5%、海外株式なら税抜き0.75%)は隠れコストを含めての値なのか?
(回答)あくまでも、(隠れコストを含まない)表面的な信託報酬率である。ただし金融庁では隠れコストも含めてチェックしている。ちなみにつみたてNISAでは、過去1年間に顧客が負担した信託報酬を通知するようにしている。

(9)(質問)国内株式だと配当金は非課税になるのに対し、外国株式だと配当金は本国で源泉徴収されて日本でも課税、すなわち2重課税になる。これはトラッキングエラーの要因になると思うが。
(回答)(金融庁、運用会社の答えをまとめると)現状は2重課税になっている。ただし本問題への対策は平成30年度税制改正大綱に盛り込まれた。2重課税は業界としても問題として認識してきており、要望を続けてきた。運用面では先物取引を活用するなど、トラッキングエラーを出さないよう、やれることはやっている。

(10)(ニッセイアセットマネジメントに対する質問)今までインデックスパッケージがなかった理由は?
(回答)今までのバランス型では単純に違う資産クラスを組み合わせるという考え方でやってきたのに対し、インデックスパッケージではつみたてNISA向けということで「株式を中心に、そして分散させる」という考え方で設計しており、バランス型とは違うポートフォリオになっている。

(11)(山崎元氏からニッセイアセットマネジメントに対する質問)インデックスパッケージはいい商品である。現状意味のない日本債券を抜いているところなど、評価できる。ファンドパックを値下げする予定は? また、ファンドパック2の予定は?
(回答)山崎先生に言われると、弱い。ファンドパックの値下げは想定の範囲内と考えている。ファンドパック2についても検討していきたい。

次回のつみたてNISA Meetupは2018年1月19日(金)に東京で開催する予定とのことです。投資歴3年未満の投資家、もしくは3年以上の投資家と3年未満の投資家のコンビが対象で、名付けて「つみップ ルーキーズ」。

また、つみたてNISAフェスティバル2018(つみフェス2018)が2018年4月21日(土)に開催されることも決定しました。今回は定員を250~300人規模に増やすとのことです。

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ここまで、つみップ(意見交換会)のまとめです。以下、毛流麦花の感想です。

(1)運用会社の人は、リスクとリターンを分析する、シミュレーションを行うなど最適解を計算の上、設定・運用している。
(2)商品開発にあたってのコンセプトは実にさまざま。分散投資ということで単純にバランスするもの、年齢経過に応じてリスク度合いが変化していくもの、つみたてNISAの目的(長期資産形成)に相応しい資産クラスの組み合わせにになっているもの、等々。
(3)個々のファンドの運用にあたっても、コストを抑えるべく、お金の出入り、お金の余り具合(不足具合)を事前にシミュレーションし、ETF、先物取引なども活用しながら、運用している。

バランスファンドについては、これまで食わず嫌いなところがあったものの、今回商品コンセプト、どのようにして開発していったのかを聞いたことで興味が沸いてきて、目論見書を読み込んでみようと思いました。

運用会社の舞台裏については『外資系運用会社が明かす投資信託の舞台裏』(編著:ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社 資産運用研究所)を読んだことがあったものの、今回運用会社の方から工夫を凝らして運用しているという話を直接聞けて、「インデックスファンドなんだから、銘柄選びの苦労もないし、単純に買うだけ。簡単じゃん」ではけっしてないことがわかり、よかったです。

つみたてNISAや投資信託とは違った話になりますが、証券会社、特にネット証券にお金を預けることに抵抗を感じる人が意外といるように感じました。(意見交換会の中でそういう質問があり、懇親会でも別の方からそういう話を聞きました。)銀行であれば、お金を預けると通帳に記帳されて、たしかに預けたという記録が残りますが、ネット証券にお金を預けても紙の通帳があるわけでもなく(オンライン上の通帳にはもちろん残りますが)、証券会社の実体というか顔が見えないので、何となく不安、といったものみたいです。

投資家が預けたお金は分別管理されており、販売会社(証券会社)、運用会社、信託銀行のどこが潰れても投資家が保護される仕組みはできているものの、それだけでは不安を解消するのは難しそうに感じました。株式は既に電子化されていますし、今後ブロックチェーンの技術が進展・普及していくにつれて、おそらく紙幣・硬貨といったお金の実体そのものがなくなっていく方向にあるので、そうした漠然とした不安を如何にして解消していくかも、投資運用に対する敷居を下げていく上で大事になるのでは、と感じました。

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