つみたてNISAフェスティバル(つみフェス2018)に参加

2018年4月21日(土)に東京の赤坂インターシティコンファレンス the Airで開催されたつみたてNISAフェスティバル2018(つみフェス2018)に参加しました。

多くの気付きが得られて楽しく、参加してよかった!です。
以下、印象的だった個所、気になった箇所を中心に、聴講内容や感想を記していきます。

プログラムです。総合司会は、FPの岩城みずほ氏でした。

14:00~14:10 金融庁挨拶
14:10~14:30 岡本和久氏 基調講演
14:40~15:00 つみたてNISA 誕生秘話
15:10~15:30 はじめての投資! おススメの一冊ベスト10
15:40~16:00 つみたてNISA 公式キャラクター発表
16:10~16:50 有識者によるパネルディスカッション

【金融庁挨拶(村井秀樹大臣政務官)】
・役所のイベントはつまらないのが常だが、つみフェスは金融庁としては攻めているイベントである。
・前回(1回目)の定員は200名だったが、今回は250名に増やした。その250名が4日で満員になり、関心の高さを感じる。
・講演形式ではなく参加型のイベントにしている。
・公式ハッシュタグ(前回は、#つみフェス2017)については、前回はTwitterのトレンド10入りするほど、多くの方々につぶやいていただけた。今回も、会場にお越しになれなかった方々も含めて、是非積極的につぶやいていただきたい。(今回のハッシュタグは、#つみフェス2018、です。)
・金融庁としてつみたてNISAを普及させたい思いは、以下の2枚のスライドに集約されている。

(スライド1)金融資産があるのに大半が預貯金に偏っているのが、日本の実情。

(スライド2)他国と比べて、日本では過去20年間、金融資産が1.54倍しか増えていない。例えばアメリカは3.32倍で、そのうちの2.45倍は運用リターンによる増加である。

(感想)
・幕間に流れている音楽(曲名はわからなかったのですが、他の方のツイートによれば、星野源、ケツメイシ、SEKAI NO OWARIやGreeeeNなどの曲だったとの由)が、どう考えても中央官庁主催のイベントらしくなく、攻めまくっている印象。
・ずっとTwitterのトレンドを確認していましたが、今回は残念ながらトレンドトップ10入りを果たせなかったみたいです。次回はさらなる盛り上がりで、トレンドトップ3入りを!

【岡本和久氏 基調講演】

・(岡本和久氏の肩書であるフィナンシャル・ヒーラーについて)長期投資は始めるのは難しくない。難しいのは続けること。暴落などで止めたくなったときに、癒しを与えて落ち着かせる活動をしており、勝手にフィナンシャル・ヒーラーを名乗っている。

・人生の目的は、お金持ちになることではなく、しあわせ持ちになること。

・しあわせの六角形。6つのF(5つのFとP)から始まっており、6つのFは富でもある。この六角形のバランスがとれた形で大きくなるのが望ましい。

・人生には3つのステージがある。「学びの時代」「働きの時代」「遊びの時代」である。「学びの時代」には人的資産を形成し、それを活用して「働きの時代」には金融資産を形成し、それを活用して「遊びの時代」には生きざまを形成し、その生きざまは次世代の人的資産になる。

・(「学びの時代」のお金の使い方)本来、お金は感謝のしるし。

・お金には4種類の使い方があり、それをハッピーマネー4分法としてまとめた。「SAVE(ためる)」「SPEND(つかう)」「DONATE(ゆずる)」「INVEST(ふやす)」である。アメリカの子供たちは小さな頃からこの4つを教わり、例えば「このお金の使い方はDONATE」という感じで実践していく。

・お金は、付加価値が生じ、そこから増えていくのが本来の姿。株価の動きはマイナーなものでしかない。(写真を撮りそびれましたが、このスライドの時間軸上にはさらに「SAVE(ためる)」、空間軸上には「DONATE(ゆずる)」、さらに右上には「ふやす」が追加されました。要は、INVEST(ふやす)は、SAVE(ためる)とDONATE(ゆずる)を掛け合わせたような行為、ということです。)

・「お金と投資で学べること」を時間軸と空間軸でとらえるとこうなる。

・仕事とは、世の中に仕える事である。仕事を社会貢献の観点から時間軸と空間軸でとらえるとこんな感じ。

・「投機、投資、資産運用」を時間軸と空間軸でとらえるとこんな感じ。

・(「働きの時代」のお金の使い方)一番大事なことは「将来の自分は、いまの自分が支える」ことを認識すること。最大のリスクは、生活の質の大幅な引き下げである。生活の質を守る観点から、資産運用の目的は購買力維持になる。

・そして60歳前後になって退職金が入ってきたら、公社債投信に回す。

・資産形成期は、できる限り資産形成する。時間軸を生かし(若い時から積立投資)、空間軸も生かし(広く世界分散された全世界の株式インデックスファンド)、資産形成する。

・(「遊びの時代」のお金の使い方)資産を取り崩していくことになる。

・社会貢献が大きい企業には個別株投資するというのもあり。

・長期投資は孫・ひ孫の世代まで続きうるものであり、人の一生だけで行うのは短すぎる。「投資で投志を!」

(感想)
・投資運用をフレームワーク思考でとらえるという発想が斬新でした。投資運用に関わる要素を時間軸と空間軸でとらえることで多くの気付きが得られるとは、びっくりです。

・投資運用を単に「お金を増やす手段」ととらえるのではなく、社会貢献の手段のひとつとしてとらえられるようになれば、世間一般的な「投資は怪しい→近づかないのが無難」という誤解に基づく警戒心を緩和し、投資に一歩近づくきっかけになるのではと思います。

・お金には4種類の使い方(「SAVE(ためる)」「SPEND(つかう)」「DONATE(ゆずる)」「INVEST(ふやす)」)がある話、義務教育(小学校もしくは中学校)で教えてもいいように思いました。

【つみたてNISA 誕生秘話(カン・チュンド氏、岡田篤氏、油布志行参事官)】
・つみたてNISAで対象商品を絞り込んだ件、商品を行政の側から絞り込むのは普通のやり方ではない。投資家に自己責任で選んでもらうのがふつうのやり方。

・もちろん、金融庁としても過去に何もしなかったわけではない。「販売する時に、所定の事項を説明しなさい」ということは言ってきた。でも結果として、販売する金融機関が「説明した」というエビデンスを残すスタイルに傾いてしまったきらいがある。

・信託報酬制限は金融庁側からの提案で議論が始まった。(ワーキンググループのメンバーだった岡田氏は、この提案にびっくりしたとの由)

・つみたてNISAはタックスヘイブンと考えている。税制上の特典を与えるので。とすれば、ある程度の基準を金融庁が設けることは受け入れられるのでは、と。

・アクティブファンドは、イノベーションの芽をつまないために、入れることにした。

・(油布参事官)つみたてNISAを始めるべきかどうか迷っているなら、始めた方がいいです。

・(油布参事官)「お金を貯めてから、投資を始めよう」は止めた方がいい。貯まらないから。

・(油布参事官)ボーナス等で投資する場合、「ボーナスは通常の生活費外のお金」ということで不相応なリスクをとりがちである。

・(油布参事官)「投資をしながら貯める」がおススメ。

(感想)
・信託報酬制限が金融庁側からの提案だったことは初めて知りました。本当、びっくり。金融庁の本気がつみたてNISAの制度に表れているのだと感じました。

・「投資しながら貯めよう」は名言。キャッチフレーズとして使うのにも好適と思います。

【はじめての投資! おススメの一冊ベスト10(虫取り小僧氏、吊ら男氏、たぱぞう氏)】
虫取り小僧氏(司会進行)、吊ら男氏、たぱぞう氏の軽快トークで進められました。リハーサルなしでこれだけの軽快トークとは、凄い。

ネットで投票を受け付けていた「はじめての投資! おススメの一冊ベスト10」の投票結果は以下のようになりました。

第1位: お金は寝かせて増やしなさい
第2位: 敗者のゲーム
第3位: ウォール街のランダムウォーカー
第4位: 投資家が「お金」よりも大切にしていること
第5位: 全面改訂 ほったらかし投資術
第5位: 難しいことは分かりませんが、お金の増やし方を教えてください!
第5位: 臆病な人でもうまくいく投資法
第8位: 難しいビジネスマンでも続けられる 毎月5万円で7000万円つくる積立て投資術
第8位: 全面改訂 超簡単 お金の運用術
第8位: 図解 山崎元のお金に強くなる!

「ウォール街のランダムウォーカー」については、英語の初版本を吊ら男氏が壇上で披露されました。出版された当時(およそ45年前)はまだインデックスファンドがこの世に存在していませんでしたが、本の中では「広く分散されたファンドを買い続けることの重要性が説かれている」とのこと。

虫取り小僧氏、吊ら男氏、たぱぞう氏のおススメの一冊も紹介されました。

虫取り小僧氏: 「老後貧乏にならないためのお金の法則」

吊ら男氏: 「難しいことは分かりませんが、お金の増やし方を教えてください!」

たぱぞう氏: 「千年投資の公理」

ちなみに、自分が投資運用に対する誤解を解き、投資運用を始めるきっかけになったのは、ウォーレンバフェットの伝記である「スノーボール」です。この本を読んで、投資運用の本来の姿に感動し、「自分でも始めてみよう」と考えるようになりました。

【つみたてNISA 公式キャラクター発表】
つみたてNISAの公式キャラクター募集、応募総数は343通だったのとの由。まず選外になったキャラクターの紹介です。

「未来を育てるニーサ姫」

「つみ立つ!ニーサキャット」

「つめたてニャーサ」(金融庁今井氏のイチオシだったらしいですが、最終的に選外になったとの由)

「NISA広報のためのキャラクター」

「つみキング」

大化けするかも?!「つーみん」(iDeCoのキャラクターであるイデコちゃんや、オバケのQ太郎に出てくるキャラクター(Q太郎、O次郎)に似ていて、けっこういい感じです。)

「俺と一緒に積み立てしようぜ」(強烈なインパクトのためか、スクリーンに映し出された瞬間、会場内に笑いが広がりました。「株価が大暴落したから、つみたて投資を止めたい!」と言ったら、北斗の拳調でアチャーとやられてしまいそう……)

「お金のおNISAん」

「ニーサルーパー」

選外になったキャラクターになったもののどれも力作かつ個性的で、343通も集まったということで、キャラクター応募を通して、つみたてNISAの啓蒙に一役買ったのは間違いないですね。

最終的に残ったのは、「つみーくん」「つみたてワニーサ」「つみたてにーくん」の3作品です。

そして、最優秀賞に選ばれたのは、「つみたてワニーサ」です。

壇上で表彰式が行われ、「つみたてワニーサ」の作者である3名が表彰状を受け取りました。みなさん、プロのデザイナーとのことです。3名の方のコメントです。
・デザイナーの仕事を始めて長くなるが、初めて国に貢献できる仕事ができた。
・現在のつみたてワニーサはまだ完成度が低い。今後改良を進め、皆さんの前でお披露目する際には、もっと完成度の高いワニーサをお見せできるようにしたい。

審査員をされた大山よしたか氏のコメントです。
「一目でプロの仕事とわかる出来栄えだった。」

賞金金額は10万円とのことで、3人で山分けすると、33333円。これは、つみたてNISAの年間上限金額40万円を12ヵ月で割った時の金額と同じで、キャラクターだけにとどまらず、賞金金額までつみたてNISAとの縁を感じさせる、すばらしいキャラクター募集および発表でした。

【有識者によるパネルディスカッション(島田知保氏、山崎元氏、田村正之氏、八幡道典政策監理官)】
「有識者によるパネルディスカッション」用の資料が事前に準備されていたものの、わかりきったことを説明するだけのセッションはつまらないとの考えから、QA形式のセッションに急遽変更されたとの由。

島田知保氏、山崎元氏、田村正之氏、八幡道典政策監理官、の4名が質問に答えていく形で進められました。ちなみに、山崎元氏の前にはタブレット端末が置かれ、パネルディスカッションしながら、ツイートされていました。

Q.新入社員のOLです。投資を始めようと思っていますが、合コンやショッピングでお金がありません。どうしたらいいでしょうか。

A1.給与天引きでつみたて投資するなど、引き出しにくい(手をつけにくい)仕組みを構築するのがよい。
A2.(山崎元氏)所得に対してお金を使い過ぎているのも一因。自分よりも所得の高い人に併せて支出しがちであり、そこを見直すこと。

Q.最近、日本株・米国株の株価の乱高下が激しいです。こうした局面でもつみたて投資をすべきでしょうか。

A1.たしかに乱高下が激しいと気持ち悪いけど、それだけリスクプレミアムが高まるということで、つみたて投資を継続するべき。

Q.信託報酬を引き下げ過ぎてファンドを維持できなくなり、繰り上げ償還になったりしませんか。
A1.大丈夫。今までが取りすぎだったので。資金が流入して、純資産額が大きくなっていけば維持できる。インデックス利用料の引き下げなど、コスト削減の余地はまだまだある。

Q.「投資は怪しい」という妻に対して、どのように投資を薦めたらいいか。
A1.データで見せるしかない。

A2.投資は納得して始めるまでが大変。本日岡本和久氏が話したような内容を語るのも有効。
A3.投資すれば好きな会社の株を買って応援できるんだよ調の話をしてみる。

Q.親族などが明らかなボッタクリ金融商品に心酔して買いまくっているような場合に、その愚を悟らせ覚醒させるのに有効な「ひと言」は。
A1.(島田氏)ひと言を言って悟らせる、すなわち性急に結果を求めがちだけれども、相手とコミュニケーションをとって、「意思決定自体が間違っている」ことを悟らせていくしかないのでは。
A2.(野村證券のセールスマンから不相応な金融商品を買わされてしまった人の話から)特に高齢者にとって、遠くの息子よりも近くのセールスマンの方に親しみを感じ、信じてしまいがち。相手とコミュニケーションをとることが大事。

今回のつみフェス2018に参加しての感想、それは、

「とにかく積立投資を継続しよう」

です。今後投資について学ぶことで、ETFや個別株への投資を始めるかもしれないものの、当面は投資のベースロードにインデックスファンドの積立投資を据えて、じっくりと投資を継続していこうと思います。

どんなに株価が大暴落したとしても「世界経済がなくなることはない」「長期的には、経済成長に伴って株価は右肩上がりで成長する」を信じて淡々と積立投資を継続できるようになるべく、投資運用に関する学びも継続します。

今後のつみフェスに関する要望・期待です。
(1)ネット配信(ネット中継、ライブストリーミング配信)を実施してほしい。開催場所が東京ということで、首都圏在住の方なら時間の都合さえつけば参加できる一方、地方在住の方が参加するには万単位の交通費、場合によっては宿泊費がかかるということで、参加のハードルが高いです。ネット配信が実現すれば地方在住の方も参加しやすくなって、さらに盛り上がるイベントになります。

もちろんネット配信する上での課題もあります。ブロガーさん等写真撮影されては困る方々への配慮が必要ですし、ライブストリーミング配信時の同時接続数をどの程度と見込むか(=配信サーバーや回線設定をどうするか)の検討も必要です。前者については例えば、カメラアングルを固定しておいて、その範囲内にはスクリーンや顔を出してもかまわない登壇者だけが入るようにする、ブロガーさん等顔を出せない方々が座るテーブルはその範囲外に置き、映らないようにする、といった感じで行けるのではと思います。後者については、Twitter視聴の場合よりも間違いなく多くの人々が視聴するはずなので、十分な同時接続数と回線帯域を確保していただきたいです。「同時接続数の上限に達したため、見られません」は回避していただきたく。(ライブストリーミングの費用の捻出方法ということで、政府広報の広告を掲示して捻出できるのではと一瞬思ったけれども、たぶん無理。)

(2)会場発表のスライドは、即日(理想は開催中)で公開してもらえるとありがたいです。

(3)要望というよりは期待ですが、今回の岡本和久氏の講演みたいな「投資はお金を増やす手段」から一歩離れた視点で投資を捉えられるような企画、「投資は楽しい、面白い、役に立つ!」といった視点からの企画が増えたらいいなと思います。「投資はお金を増やす手段」「いかにして増やすか」「どういうポートフォリオがいいか」「リスクリターンの最適化」みたいな話だけでは投資家の裾野は広がらないと思われるので。

要望・期待の話からそれますが、投資の理想は、預貯金みたいにみんな持っている(やっている)のが普通、かつ初心者でも安心して持てる(始められる)、だと思います。投資そのものには興味がないような、(自分を含めて)投資以外のことに興味を持っているような人たちには、前述のポートフォリオ云々の話はささらないと思います。そうした人たちでも実践できるような、預貯金並に日常の社会生活に根ざした投資こそが理想で、そういう視点からの企画が増えることを期待します。

最後に、どうでもいいような話・感想です。
(1)会場受付のスタッフの方々が、ANAのグランドスタッフそっくりで、「ここはANAのチェックインカウンター?」とびっくりしました。ちなみに、「会場スタッフはANAグランドスタッフ」説を最初に提唱したのは自分ではありません。

(2)つみフェス2018の会場である赤坂インターシティコンファレンス the Airの会場内Wi-Fiでスピードテストしたので、結果を張り付けておきます。VPNを張らない状態で下り180Mbps弱、回線はOCNでした。遅延等も含めて回線の品質上特に問題なしと判断し、会場内ではずっとWi-Fiを使っていました。もちろん、VPN(自宅経由のVPN)を張った上で、ですが。

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