『バカでも稼げる「米国株」高配当投資』を読んで

バフェット太郎さんが上梓された『バカでも稼げる「米国株」高配当投資』を発売初日(2018年4月28日(土))に早速購入して読んでみました。

感想をひとことで言うと、「読み応えがあり、買ってよかった!」となります。

(1)庶民でもお金持ちになれる
(2)インデックス投資の弱点を突く
(3)為替・税のリスクを補って余りある米国株
その他の感想
アマゾンのレビュー欄について
誤字脱字について
本の購入について

投資運用関係の本というと、ありきたりな内容(教科書的な内容)を書き連ねただけの読むに値しない本が多いですが、この本はバフェット太郎さんの経験に基づいて実践的に書かれているので読み応えがあり、内容も至極真っ当かつ筋道立てて書かれており、多くの気付きが得られます。

その気付きをもとに、リスク許容度も勘案しつつ、各人にマッチした投資法を編み出せるのではと思います。

特に印象的だった事項は以下の3点です。

[(1)庶民でもお金持ちになれる]
「庶民でもお金持ちになれる」とあると一瞬眉に唾をつけたくなりますが、その疑念は打ち砕かれます。

「アメリカの典型的な億万長者というのは、プール付きの大豪邸に住むセレブのような人たちではなくて、ごく普通の家に住み、共働きで年収は平均的、普段着はお世辞にもおしゃれとは言えない、どこからどう見てもごく普通の人たちなんです」と始まります。

その話を裏付けるように、ガソリンスタンド店員が37歳から始めた米国株投資で10億円もの資産を築いた話が描かれています。

高給取りだったわけでもなく、宝くじにあたったわけでもなく、両親から莫大な遺産を引き継いだわけでもないのに、株式投資、それもバイ&ホールドで10億円を築いたという話には勇気づけられますよね。

翻って、日本の社会ではどうか。

「日本のような豊かな社会において、お金持ちになることくらい誰にでもできるので、貧乏人が貧乏であることは自己責任に他なりません」と辛辣です。

お金持ちになる方法は「勤勉に働き、倹約に努め、堅実に運用する」であるのに、住宅ローンを組んで家を買ったり、生命保険など無駄な支出をしてきたことにより、その方法を実践できなかったのが原因である、と。

非常に明快で、わかりやすい。「勤勉に働き、倹約に努め、堅実に運用する」の観点から毛流麦花の過去を振り返ると反省・後悔事項多数(というか無数)ですが、過去は過去、これから頑張るしかないですね。

[(2)インデックス投資の弱点を突く]
バフェット太郎さんは、投資家のリスク許容度に応じて米国の個別株投資ではなくS&P500ETFへの投資もアリ、とされていますが、その一方でS&P500ETFには弱点もある、とされています。

それは、S&P500が「時価総額加重平均型株価指数」だからです。

「時価総額加重平均型株価指数」では時価総額の高い大型株の割合が大きくなるようにデザインされているために、大型株の影響を受けやすく、さらに時価総額の高い銘柄ほどPERなどバリュエーション(Valuation)が割高になる傾向があり、結果として割高株を比較的多めに買い続けることになる、と。

株価指数の弱点を突くという発想が斬新でした。インデックス投資をしていても、株価指数の構成と、その構成に起因する弱点まではなかなか考えが及びません。

これについては、「S&P500を含むインデックス投資は、完璧でもなければ、最高のパフォーマンスを叩き出せる投資法ではない」と捉え、各個人のリスク許容度に応じて考えていけばいいのでは、と思います。インデックス投資であっても預貯金よりはマシ(ポートフォリオやリスク許容度にもよりますが)ですし。

[(3)為替・税のリスクを補って余りある米国株]
米国株や米国ETFに興味があっても、為替リスク・二重課税等々から躊躇している人は(毛流麦花を含めて)多いと思いますが、その不安にも答えてくれます。

為替リスクについては、米国株には当然為替リスクがあり、円高になれば円建て株価は下がり、円安になれば円建て株価は上がるものの、日本株についても、日経平均株価とドル円の為替相場には強い相関関係があり、円高になると日経平均株価が下がり、円安になると日経平均株価が上がる傾向にあることが、グラフで示されています。

税リスクについては、配当金に対して日米で二重に課税されるものの、確定申告で現地課税分は(全額ではないものの)戻ってくるし、そもそもの話、円建てS&P500株価指数と日経平均株価のパフォーマンスを比べると、2000年1月を起点に考えた場合、円建てS&P500株価指数はプラス96.45%、日経平均株価はプラス15.65%となり、税引き後の配当利回りを計算すると、日米で大差ないことが示されます。

さらに「配当に対して積極的な米国株、消極的な日本株」の違いからもわかるように、平気で減配する日本株のことを考えれば、米国株の配当利回りが日本株を上回ることもあり得る話である、と。

これについては、とにかく踏み出して最初の確定申告を乗り切るまでのハードルが高いものの、そのハードルを越えられれば継続できるのでは、と思います。

[その他の感想]
その他の感想です。
・『クソダサい投資家の「残念投資法」一覧』は、陥りがちな失敗例が辛辣な表現で例示してあり、参考になります。タイトルだけ書いておきます。向こう見ずな全力買い、欲豚の底値買い、ウノみ君のブレブレ投資、下心による配当再投資見送り、地獄へと導く勘違い銘柄分析。

・バフェット太郎さんの本ということで、タイトルからして『バカでも稼げる「米国株」高配当投資』と煽り調ですし、ブログ同様に「クソダサい」等口調は悪いものの、読んでいて不愉快になるようなことは皆無でした。人格攻撃しているわけではないですし、「おまえら、知らないなんてもったいない!」的な愛情に満ち満ちた上での「クソダサい」発言だからなのだろうと思います。

・アマゾンのレビュー欄やTwitterを見ていると、バフェット太郎さんの投資手法の良し悪しと本書の良し悪しとがごっちゃになって論じられているように思います。内容は真っ当かつ堅実なので、バフェット太郎さんと投資手法が異なる方であっても、本書は一読に値すると思います。

・冒頭の漫画に出てくるウォーレン・バフェット氏、もう少しバフェット氏ご本人に似せて描いてもよかったように思います。特定の年代のバフェット氏に似せて描いたのだろうかと思って、幼少時から最近までのバフェット氏の写った写真と見比べてみたけれども、どれにも似ていない。メディアに頻繁に登場する超有名人ですし、もう少し似せて描いてほしかったです。

[アマゾンのレビュー欄について]
本書のアマゾンのレビュー欄を見ると、星ひとつのレビューが集まるという異常事態になっています。

星ひとつのレビューを読むと、そもそも本書を買わずにレビューしている、本書のレビューではなく投資手法・投資成績に対するレビューになっている、等々読むに堪えないレビューだらけです。

本書は(後述するように)実書店への配本数がそれほど多くなく、ネット販売が重要な販路となっていますが、ネット販売の主要販路のひとつであるアマゾンのレビュー欄がこのありさまでは、早々に「品切れ・増刷なし」の事態に陥りかねません。

特に本書をアマゾンで購入した人は、ぜひともアマゾンのレビュー欄にひとこと残しましょう!(アマゾン以外で購入した人でも、レビュー欄にひとこと残せます。)

[誤字脱字について]
本書の初版・2刷には、下記のような誤字が複数あります。(下の写真は50頁目です。)
×債権
○債券

正しく「債券」となっている箇所もあるので、校正(校閲)時に見逃したものと思われます。バフェット太郎さんの話では、3刷以降で修正される予定とのことです。誤字が気になる人は、少し待ってもいいかもしれません。

ちなみにこの誤字、毛流麦花は気付きませんでした。誤字および「3刷以降で修正される予定」の話は、Twitterで知りました。(2018.5.19追記)書店に3刷が並んでいたので確認したところ、「債権」の誤記は正しく「債券」に治っていました。

[本の購入について]
本の購入についてですが、バフェット太郎さんご本人も言及されているように、首都圏の大型書店であっても配本数は少なめみたいです。確実に入手するのであれば、ネットが無難です。

発売初日の2018年4月28日(土)に立ち寄った首都圏の書店での状況です。(同じ書店でも別の店舗であれば在庫あり、ということはあるかもしれません。)

芳林堂書店:店頭に並んでいなかった。
TSUTAYA:店頭に並んでいなかった。
紀伊国屋書店:(自分が立ち寄った時点で)4冊平積み(表紙を上にした状態)されていた。(ここで購入しました。)
有隣堂書店:(自分が立ち寄った時点で)面陳列(表紙が見えるように立てかけた状態)で3冊置かれていた。

ちなみに紀伊国屋書店で観察していたところ、他の本を手にした方が当該書籍を手にするところを見ました。しばらく読んでから戻してしまったものの、多数の本が平積みされている中で手に取ってもらえているということから「この表紙戦略?は間違っていなかった」と言えるのではないでしょうか?

水瀬ケンイチさんの『お金は寝かせて増やしなさい』並みに入手性がよくなり、どこの書店でも最低1冊は書棚に棚差し(背差し)されている、もしくは平積みされている状況になることを願っています。

グッドラック。

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